いくら考えても答えが出ない難問に悩むチームメンバーに対して、あなたなら何と声をかけますか? もし相手を責めるのではなく、力づけたいと思うのであれば、試してほしい方法があります。それが「ミラクル・クエスチョン」です。

悩める相手には質問を選んで

もし目の前にいる人が何かの問題について悩んでいるとしたら、あなたはどんな質問を投げかけますか?

原因がまったく分からず、「正直、考えても無駄!」と言いたくなるような問題。投げ出したくもなりますが、立ち向かわなければなりません。そんな問題に悩める人に対して、行うべき質問とは?

私たちは常日頃、問題解決のために何が問題で、その原因はどこにあるかという点を知ろうとします。その際、問題を把握しようとして過去のことにばかり注意を向けてしまいがちです。しかし、問題が特定され、その原因が分かったとしても解決につながるとは限りません。逆に問題を理解しようとするあまり疲れてしまったり、詳細な情報に入り込みすぎて解決の糸口を見失ってしまったりすることもあります。こうした時、相手を助けようとして問題の具体的な状況を問い詰めたり、解決策やアドバイスを押し付けたりしても状況はよくなりません。

例えば、「問題解決のために何が問題で、その原因はどこにあるかという点」について、十分に振り返りや検証を行っているにもかかわらず、まるで解決のヒントが見当たらない、いわば“袋小路”に陥っている場合、むしろ必要となるのは、相手を力づける質問、つまり肯定的かつ支援的で、過去ではなく未来について問うような質問です。逆に、否定的で相手を責めるような口調の、過去ばかり問うような質問は相手の力をそぎ、やる気を失わせてしまいます。では、具体的にはどのような質問が人を力づけるのでしょうか?