原因を突き止めると、嫌な人もスルーできる、かもしれない

さて、ここでもう一歩踏み込んで考えてみましょうか。仕事もしないで遊んでいる年上の同僚が許せないのはなぜなのでしょう? 組織に貢献していないからとか、自分だって働きたくないのにずるいとか、いろいろと理由はあると思います。それを掘り下げてみてください。そうすると、そこには「自分と属している組織との関係性」が、不思議と浮かび上がってくるのです。例えば、給料泥棒なんて許せないという正義感のよりどころが、組織に属して、共に働いて、企業の繁栄を当事者意識高く願っている、そのことに結びついたりするのです。嫌な人のことをイヤイヤ考えて、その基準を整理することで得られる副産物です。

その基準を並べると「自分には、意外と大事じゃなかった」ということで許せるようになるケースも出てくるはず。許せない理由を曖昧にしておくことで、少なくともスルーしてもいい人にまでイライラしていたという、無駄を見つけることができるのです。まずは、その「必要のない」許せない人を除くこと。その上で「今の自分の立場では、そのイライラは解消できないこと」をペンディングしてしまうと、周囲の“許せない人”は劇的に減るでしょう。

それでも減らない! という人は、今の場所に留まらないという選択肢も視野に入れる必要がありそうです。そこは、あなたには相応しくない場所という証明なのですから。

サカタカツミ/クリエイティブディレクター
就職や転職、若手社会人のキャリア開発などの各種サービスやウェブサイトのプロデュース、ディレクションを、数多く&幅広く手がけている。直近は、企業の人事が持つ様々なデータと個人のスキルデータを掛け合わせることにより、その組織が持つ特性や、求める人物像を可視化、最適な配置や育成が可能になるサービスを作っている。リクルートワークス研究所『「2025年の働く」予測』プロジェクトメンバー。著書に『就職のオキテ』『会社のオキテ』(以上、翔泳社)。「人が辞めない」という視点における寄稿記事や登壇も多数。