意外と薄利のテレビ局

テレビ局員の給料が高いのは、テレビ局は参入障壁が高く、競合他社が少ないぶん多くの収益を上げられるから。また電波使用料などのコストが売上の割には安く、そのぶん多くの利益を上げられるから。要は「たくさん儲けやすいから給料が高いのでは?」という憶測の声をよく耳にしますが、実際はどうなのでしょうか。

一般的に、社員の給料の高い会社は利益率も高いことが多いです。会社のビジネスモデルや商品などが優れていて高収益のため、分け前として社員に多くを還元することができるからです。

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テレビ局 年収ランキング上位6社の当期純利益率

例えば年収ランキング1位に輝いたキーエンスは、当期純利益率30%超が3年以上続いており、長期的に見ても30%近くの純利益率を維持し続けています。2014年に経済産業省が発表した全国における当期純利益率の平均は2.9%ですので、その10倍以上もの収益力を誇っています。会社の業績からすれば、社員の平均年収が1648万円なのは決して高すぎる水準ではないのです。また、年収ランキング2位の野村ホールディングスは2015年3月期の当期純利益率が11.6%、5位のGCAサヴィアンは2014年12月期における当期純利益率が17.4%といずれも高収益です。

ところがテレビ局に関しては、競合が少ない、電波使用料が安いなどと言われているものの、思ったほど利益率は高くありません。2015年3月期の年収ランキング上位6社の当期純利益率は表のとおりですが、利益率が最も高い日本テレビホールディングスを除けば、大半の会社が当期純利益率3%前後で全国平均とさほど変わらないことが分かります。