出会うすべての人を誘惑する

相手がパン屋の店主だろうと、近所のカフェのウェイターだろうと、ヨガのインストラクターだろうと、気軽におしゃべりをし、魅力的にふるまいます。ワイン1本買うのにも、大型スーパーに入ってひと言も発しないまま買い物をすませるようなことはしません。長年つき合いがある近所のワインショップに行き、オーナーと最近のボルドーの出来についておしゃべりしながらワインを選ぶのです。「みんなが言っているほどいいワインなの?」それからオーナーの子どもたちの話題を持ち出します。「ベルナールはバカロレアに向けてがんばっているのかしら?」

チャーミングでいるためには高度なスキルを要します。それは世渡りに役立つばかりでなく、彼女の恋愛関係にも必要不可欠です。どんなふうにって?

ミレイユ・ジュリアーノの本『フランス女性は太らない』(原題 French Women Don't Get Fat)にも書いてあるように、フランス女性は喜びのために生きています。オンかオフか、イエスかノーか、という考え方をしません。食事ひとつにしても、ごちそうを大量に食べるか、絶食するか、というような極端なことはしないのです。

恋愛についても同じ、極端に走るのでなく、どんなときも少しだけセクシーに見えるように気をくばります。それは際立つほどのセクシーさではありませんが、つねに自分が女性であること、そして女性らしさには素晴らしいパワーがあることを知っているのです。彼女たちはいつも誘惑的であることを心がけ、それがあまりにも自然で控えめなので、相手も彼女の魅力にまいってしまったことに気がつかないほどです。