グツグツと鍋を煮込むいい匂いがするキッチンで今日1日の何げない出来事を思い出しながら、じっと出来上がるのを待つ。特別なスープじゃなくても、あったかくなる時間です。パリ留学の経験を持つ料理家の若山曜子さんに、ほっこりスープのレシピを教えていただきます。

どんなに寒い日も熱々のスープさえあれば。食卓も体もほかほかに

日に日に寒さが増すこの時季は温かいものが飲みたくなる。パリ留学の経験を持つ料理家の若山曜子さんは、「とびきり寒いパリの冬をスープで乗り切った」というスープ好き。パリのおいしい野菜に魅せられて、しょっちゅう野菜入りのメニューをつくっていたそう。そんな若山さんが考案してくれたのは、フランスのエッセンスをきかせた野菜たっぷりのスープだ。

「フランスの料理は凝った印象がありますが、日常のものは素朴です」

言葉どおり、家庭料理の定番、ポトフのスープ仕立てはとてもシンプル。数種の野菜と手羽先と塩を鍋に入れてコトコト煮込むだけ。なのに、しみじみと味わい深い。その秘訣(ひけつ)は?

「何かしらの油分を足すのがコツ。手羽先やベーコンなどの肉類、またはバターを少量加えるだけで、野菜の味がぐっと引き立つんです」

体を温める作用を持つにんにくや玉ねぎが入り、体の奥からほかほかになれる。日持ちするので多めにつくって、朝に夜に。ほっこりスープ、召しあがれ。