3. ウソが見抜ける「表情のズレ」

表情筋の動きにズレが出る人がいますが、これは本意でないことを言ったり、そもそも正直に物事を進めていない場合があります。ズレを素早く読み取って、対応を考えてください。

■表情がズレる3つのケース

(1)言葉にする感情と表情筋の動きがズレている場合
例:口では「おめでとう」と言っているのに、目は無表情である。
→「おめでとう」と言いながら心では喜んでいない。

(2)表情の上半分と下半分が違う感情を表現している場合
例:「お待ちしておりました」と口元は微笑んでいるのに、目がキッとなっている。
→実はあなたの来訪を喜んでいない。

(3)表情筋の開始動作が時間的にズレている場合
例:「ジャケットがとてもよくお似合いです」と接客する際、口元と目元の笑いに時間差がある。私の実験では、まず顔の下半分が動き出し、つられて上が動く。
→実はその服、あなたに似合っていません。

●うそをつく時に表れる不自然な表情
・アイコンタクトの時間が減る
・口元の笑いと、目の笑いに時間差がある
・瞬きの回数が増える
・目を異常に大きく見開く
・唇をなめる
・ぬすみ見をする
出典:『目つき、顔つき、態度を学べ!!』佐藤綾子著/ディスカヴァー・トゥエンティワン刊

4.「口」の動きで分かる幼児性性格

一般的に偉いと言われる人の中には、親の七光りなど偶然に偉くなった人もいれば、反対に偉くなれずに、その原因が人のせいだと思っている人もいます。どちらも現実認識と他者認識の甘い、幼児性性格を備えた場合があります。

幼児性を見分ける術は簡単です。人と話す時に、唇を前に突き出し、尖らせているのが最も分かりやすい例です。人に配慮をする気がないので、その時の感情で唇を尖らせ、場合によっては眉をハの字にさせて「不愉快だ」と気分を表現します。

このような人たちは感情コントロールが下手な甘ったれ屋さん。仲間に持つと苦労しますし、営業先でこういう幼児性性格の人物と出会ったら、その人の態度に対して本気で腹を立てずに上手に話を合わせておき、あとでさらに決定権がある人と話をしましょう。

佐藤綾子 パフォーマンス心理学博士

常に女性の生き方を照らし、希望と悩みを共に分かち合って走る日本カウンセリング学会認定スーパーバイザーカウンセラー。日本大学芸術学部教授。「自分を伝える自己表現」をテーマにした単行本は180冊以上。新刊『30日間で生まれ変わる! アドラー流心のダイエット』(集英社刊)は9月4日発売。