結婚生活は〈永遠のもの〉ではない

死ぬまでずっと成長し、変化し、進化しつづける――これがフランス女性の生き方です。新しい趣味を見つけ、情熱を傾ける。夫や恋人のためではなく、自分のために。そしてそのあいだも、外に出て、たくさんの人に会います。もちろん、夫以外の男性にも。つまり、自分の友人関係をキープしつづけるのです。

フランスの既婚女性はさかんにホームパーティをひらきます。さまざまなカップルや独身男女の交流の場をつくるので、夫のほうも気をゆるめていられません。妻がこの世に君臨し、まわりの人たちから称賛されているというのに、自分がよそ見をしたり妻をないがしろにしたりしたら、ほかの男にとられてしまうかもしれない……。

あるフランス女性は、アイルランド人の友人が自分の結婚生活を〈永遠のもの〉と言っているのを聞いて、心底驚いたと言います。結婚の誓いを立てたが最後、すべては不変のものとなり、妻はもう魅力的で女性らしく見せる努力をしなくてもいいと思っているなんて信じられないと。

彼女はこうも言っていました。「男女関係はいつだって始まったばかりのように、そしていつ終わってもおかしくないものとして扱わなければ」

フランス人男性もまた、このように言っています。「フランス女性の謎は、つねに誰かに持っていかれてしまいそうな気がするところだ」

そう、この考え方には欠点があるのも事実です。フランス人の中には、愛人や浮気相手がいる人もいます。この事実そのものが、夫や妻の警戒心と、夫婦間の情熱を保つのに役立っているようです。

フランスでは、結婚やパートナーとの生活に安心しきってしまう人はいません。いつもどうすれば自分がよく見え、格好よく行動できるかを考えて、一生懸命に努力します。そしてつねに、自分を称賛してくれる人を探し求めています。ときにはそれが愛人や浮気相手だったりします。ただ、アメリカ人が思っているほど浮気に寛大ではないこともつけ加えておきましょう。

※本連載は書籍『セクシーに生きる ――年を重ねるほどに、フランス女性が輝きを増す秘密』(ジェイミー・キャット・キャラン著、プレジデント社刊)からの抜粋です。

ジェイミー・キャット・キャラン
アメリカ生まれ。フランス人である母方の祖母のもとで育ったアメリカ人女性。書籍『セクシーに生きる』(プレジデント社)(http://presidentstore.jp/books/products/detail.php?product_id=1067)は、リアルな告白エッセイとして高い評価を得、たちまちベストセラーとなり、10カ国以上で翻訳されている。ニューヨークタイムズ紙をはじめ多くの新聞雑誌に恋愛指南コラムを執筆するほか、ニューヨーク大学、エール大学、 UCLAでライティングの講座をもつなど、著作以外の活動も活発に行っている。マサチューセッツ在住、気象科学者の夫とともに暮らす。http://www.jamiecatcallan.com

訳=永峯涼