2人で幸せに暮らした年月のぶん、財産も形成されている。愛破れ、離婚に至ったとき、築いた財産はどうなる? いざそのときに備え、知っておきたい「離婚のお金」を大検証!

「いくらもらえる?」期待とはほど遠い現実

“もう、この人とは一緒に暮らしていけない!”とブチ切れた瞬間、「離婚」の二文字が頭をよぎる。些細な言い合いからすれ違い、愛していたときには気にならなかったクセが鼻につきはじめ……極めつきは、夫の心ない言動や浮気。ついに耐えかねたとき、まず気になるのが「お金」。マネーセラピストの安田まゆみさんのもとにも、離婚後のお金の相談が数多く寄せられるという。

「心の中では離婚したいと思っていても、『私は一人で暮らしていけるかしら』と不安を感じていたり、突然、夫から離婚したいと言われてカッとなって相談に来る人もいます。そこで『相手からいくら取れますか?』と、若干期待を込めて聞かれることが多いのですが、現実は厳しいことを最初にお話ししますね」

離婚にまつわるお金で最も関心が高いのは「財産分与」。自宅の名義が夫だけになっている場合や、夫と妻の持ち分が均等でないケースもある。また、専業主婦の場合は銀行口座の名義が夫になっていることが多く、共働きの夫婦はそれぞれ自分名義の口座を持っていても、貯蓄額に差がある。夫に内緒の口座に、ひそかに「へそくり」を貯めこんでいる人もいるだろう。

「もちろん、お互いが納得したうえの協議離婚なら、どんな分け方をしても、それは2人の自由なのです。ただ、調停など裁判所の力を借りることになったら、基本的には『結婚後につくり上げた財産は、名義にかかわらず、すべて折半』の方向で話が進みます。民法上では、結婚してから別れるまでに2人で築き上げた財産が対象となるわけです」

【年代別離婚件数】3組に1組が離婚するといわれる現在、30代、40代に離婚が集中している。また50歳以上の熟年離婚も2万5000件を超えている。【離婚動機ランキング】離婚の動機は、妻・夫とも「性格の不一致」が第1位。「同居に応じないから」という理由も挙がったのは、別居が長引いた結果か……。