世界は小さい ―ネットワークで広がる可能性

「世界は広い、だけど小さい。これが今回、私の学んだことです。英語がネックでなかなか世界とつながらないと思っていましたが、英語に不便を感じながらも、自分が一生懸命伝える努力をし、動かすべきビジネスへの熱意などがあれば、ビジョンは伝わり、人ともつながれるんだと感じました」

プログラム最終日にそう語る野尻さんの顔は、自信に満ちていた。プログラムでは、英語で講義を聞くだけでなく、自分でプレゼンをしたり、事業計画書などを英語で仕上げるような宿題も毎日出ていたという。小さな子どもを抱えながら取り組むのは大変だったが、1週間に及ぶメンタリングを通して得たものは、英語以上に大きかったという。

「11名のメンターをはじめ、普段会えないようなグローバルに活躍する方や著名な方と直接話す機会が多くあり、貴重な経験でした。そんな人たちとつながれる機会は、本当に一生モノの経験だと思っています。今回つながれた人々と、一緒に何かを作り上げられたらいいねとメンティ仲間とも話しています。参加したほかのメンティの方々も意欲やビジョンがあり、素晴らしかった。世界を動かしている人が、ここにいるんだと思うと毎日ワクワクしました」

メンティ同士の強い結びつきも、今後、お互いのビジネスでコラボの話が出るなど、大いに刺激になったようだ。そして、メンターであるジャネルさんとの関係も、今後は立場を変化させてパートナーになっていきそうな気配もある。

ジャネルさんは野尻さんに信頼の笑顔を向け、こうつなげた。「ダイバーシティを推進する上で、人々の働きやすさは必要不可欠です。メンタルヘルスは重要な要素ですが、野尻さんが持つその分野での知識は本当に素晴らしく、私も学ぶことが多かったです。ビジネス現場での現実と課題もよくご存じなので、今後は一緒に、日本が次に進むべき道を作っていきましょうと話しています」