貯金する習慣を子ども世代に伝えたい

データに戻ると、貯金ゼロの世帯はどの世代でも約3割に達しています。心配なのは、「貯蓄しない習慣」が、子どもの世代に広がっていかないか、ということ。「貯金なんてしなくていい」という生活を子どもたちが当たり前と思って育てば、貯金ゼロ家庭はこれからもどんどん増えていってしまいそうです。

とはいえ、最近の若い世代は堅実と言われています。データを見ても、30代の貯金ゼロ家庭は約28%で、40代の約36%よりかなり低くなっています。これはちょっと安心材料。それに、年収が300万円以下でも、半数以上の人はちゃんと貯金を持っています。年収300万~500万円になれば、貯金を持っている人が約7割。収入が多くなくても、その気になれば、貯金は必ずできるはずです。

さて、今度のボーナス。買い物や旅行を楽しむのはもちろんOK。でも、もし貯金がゼロなら、この冬はちょっと我慢して、貯金を始めてはどうでしょう。これをきっかけに、来年から少しずつでも貯金を増やせればいいですね。

マネージャーナリスト 有山典子(ありやま・みちこ)
証券系シンクタンク勤務後、専業主婦を経て出版社に再就職。ビジネス書籍や経済誌の編集に携わる。マネー誌「マネープラス」「マネージャパン」編集長を経て独立、フリーでビジネス誌や単行本の編集・執筆を行っている。ファイナンシャルプランナーの資格も持つ。