格付け方法と読み方ガイド

●表の解説
(1)「キャリア万全型」は、この5項目がすべて「A」の企業。女性を採り、定着し、昇進もできている。
(2)新卒総合職の女性比率が少ない(BかC)が、入社後は定着し、キャリアを育めている。
(3)「WLB重視型」は、ワークライフバランスに関する4項目がすべて「A」の企業。
(4)「昭和型」は、女性比率はそこそこ高い(AかB)が、総合職の女性比率は低い(C)。そして新卒3年定着率はそこそこ高い(AかB)が、平均勤続年数は短く(C)、既婚率も低い(C)。つまり、一般職採用が多く、早期離職は少ないが、寿退社が多い。
(5)女性でも採用はされやすい(A×A)が、離職が多く定着は難しい(C×C)。ただし、残った場合は昇進している(A)。
(6)「ブラック的」企業では、女性でも総合職採用される(A)が、離職が多く定着は難しい(C×C)。有休はなかなか取れない。

今回の格付けには、企業調査で定評のある東洋経済新報社の「就職四季報 女子版」(2016年版)を基礎データとして使用しています。1106社が掲載され、50項目以上の調査数値が並ぶこの調査から、働き方に関わる以下の9項目に注目してみました。

[1]入りやすさ。女性が採用されているか(表2項目の『入りやすさ』)
[2]キャリアが築けるか(表3項目の『キャリア』)
[3]ワークライフバランスが整っているか(表4項目の『ワークライフバランス』)

調査項目にある残業時間は、格付けからは外しました。現状ではサービス残業も多く、実情よりかなり少ないと思われる数字が見られたためです。

各項目の数値を基に、ABCの格付けが記されています。基本は、全回答企業を数値順に並べて、上位3分の1をA、真ん中の3分の1をB、下位3分の1をCとしました。ただし、以下の3項目は上記方法では差がつかないため、特別なルールを設けています。

・新卒総合職の女性比率は30%以上をA、25.30%未満をB、25%未満をC。
・新卒3年定着率は90%以上をA、80.90%未満をB、80%未満をC。
・平均勤続年数は12.5年以上をA、10~12.5年未満をB、10年未満をC。

これら9項目の格付けを基に、企業を上の表のように6つのタイプに分類しています。なお、分類の基準となる項目にブランクがある企業は格付けから除外しています。

※連載2回目は、「業界&規模別」にダイバーシティへの力の入れ方を検証、3回目以降は上記のルールをもとに、6つのタイプの古典的な企業をさらに詳しくリストアップ、その企業で働いている社員も登場します。

格付けの構成、解説=海老原嗣生 編集協力=砂塚美穂、池田純子 取材協力=転職・就活に役立つ企業口コミサイト「キャリコネ」