ところが、バリキャリ女性はこんな話をしがちです。

「自社製品の優位性について、データを使って社内で自主プレゼンをしたの。その上でマーケティングの重要性を訴えたら、予算が付いて新規で調査を行えることになったの!」

……会社は動かせても、男性の心は動きません。こちらも極端な例を挙げましたが、絵が思い浮かばない話は、頭に入ってこないのです。頭に入ってこないということは心を動かす材料がないので、気持ちが盛り上がりません。これは「勤務先に対する守秘義務があるので、ボカして話しているから絵が思い浮かばないんだ!」というようなことではありません。また仕事の話をするのが悪い、と言っているわけでもありません。仕事について熱心に語る姿に好意を抱く人もいるかもしれませんが、やはりすんなりと絵が思い浮かばない話は、聞き流されがちになるものです。

婚活における論理の上手な使い方

婚活中には論理がマイナスに作用しやすいと言いましたが、論理は決して悪者ではありません。使いどころはいろいろあります。例えば、相手の長所を褒める際、その理由を添えるために論理を用いるのです。「あなたはお箸の使い方が上手よね。(なぜならば、それは)きっとお母様が大切に育てられたからなのでしょうね」と、まだ会ったことのない相手の母親を褒めることもできます。論理の力を使って推測すれば、今、目の前にあるものを引き合いに、無理なく見たことのないものを肯定したり褒めたりできるのです。このように、論理の力は「私はあなたの長所に気付いています」ということを伝えるときに使ってみましょう。根拠なく褒められることをいぶかしく思う男性も、この方法なら素直に受け止めることができます。

まっすぐにコピーを取れるようになって褒められた話も、自主プレゼンの話も、どちらも極端な例ですが、相手に話題を“ふる”ときには、中学生でもその光景が頭に浮かぶぐらいに分かりやすく具体的に話すということを心がけてみてください。バリキャリの皆さんは、論理的であることが是とされる仕事モードを引きずったまま、婚活の場で話をしてしまいがちです。しんどかった婚活がこの心がけだけでかなり楽になりますよ!

大西明美

婚活アドバイザー。結婚相談所を経営。1977年大阪府生まれ。東京都文京区在住。過去20年で延べ4万3000件の恋愛を研究してきた婚活指導の第一人者。小中学校ではイジメを受け友達がいなかったため、周囲の人間関係を観察することを目的にして登校を続ける。特に恋愛に注目してコミュニケーションを学ぶ。高校生のとき、初めてできた友人に恋愛相談を持ちかけられ、日頃鍛えた人間観察眼を生かしたアドバイスを行い、無事に解決。それをきっかけに恋愛相談が立て続けに舞い込むようになる。婚活指導を通して、5年間で200組以上のカップルを成婚へと導いている。著書に『となりの婚活女子は、今日も迷走中』(かんき出版)がある。