課長以上は年8日の連続休暇を徹底

【白河】フローの改善は進んでいる。やはり一番変わりにくいのが意識と思いますが、そこはどうすれば、スピード感が出るのでしょうか?

【高橋】強引ですが、ノー残業デーだと会社が決めることは、どこの会社でも職場でもやっています。残業申請は会社がきちんと管理をして、今日やらなくていいものは残業する必要がないと、申告が出たら管理者がきちんと中身をみて判断することが大事ですね。これはNEW iTM運動、適正な労務管理という運動です。会社をあげて厳密に行っているので、サービス労働はあり得ないというぐらい、きちんとやっています。

JTB 高橋広行社長
1979年日本交通公社(現JTB)入社。広島支店長、マーケティング戦略部長や取締役旅行事業本部長を歴任。2012年常務取締役JTB西日本社長。14年より現職。

システムにおカネをかけている、しかし残業は全然減らないでは、会社としての戦略になりません。

それから有給休暇は完全消化ですね。課長以上は8日間連続休暇を取るような仕組みも設け、必ず対象者全員が取りなさいと徹底しています。上が休まないと下も休めませんので。

【白河】取引先など周囲への働きかけはしていますか?

【高橋】当社だけが残業しませんというのは難しいので、呼びかけ、働きかけはしています。鉄道にしても、飛行機にしても、海外にしても、24時間動いていますから。グローバルに展開していますので、そこは工夫が必要なところです。会議ひとつでも時差があります。