この30年間で大きく変革を遂げてきた情報通信業界。その潮流の最先端に常に身を置いて、グローバルに活躍をしてきたのが吉田晴乃さんだ。

1990年代にカナダに渡り、現地の通信会社に勤務。日本人向けの格安電話プランなどをヒットさせ、営業成績はいつも断トツという辣腕(らつわん)を発揮していた。

吉田晴乃さん

その実力が認められて、NTTがアメリカで事業を立ち上げる際に声がかかり、ニューヨークへと移住。当時、アメリカはITバブルの真っただ中にあり、東海岸から西海岸まで全米をフィールドにしながら新規事業の営業に駆け回っていたという。

そして、日本に帰国後は、NTTコミュニケーションズの営業課長、ベライゾンビジネス日本法人の営業部長などを歴任した後、2012年、現職であるBT(ブリティッシュ・テレコム)ジャパンの社長に抜てきされる。

企業のトップとしてもダイナミックなビジネス戦略を打ち出し、社内外での高い評価を受けて、今年6月に女性初となる経団連審議員会副議長に就任した。

プライベートでは一人娘の母。シングルマザーとして娘を育てながらキャリアを築いてきた吉田さん。グローバル市場で活躍する彼女が心がける「伝え方」の奥義を聞いてみた。