人材事業を展開するアデコが、世界共通で行う“CEO業務体験”インターンシッププログラム。アデコ川崎社長に、このプログラムに込めたねらいと思いを尋ねます。

グローバルな雇用環境問題の解決に向けて

──アデコグループが世界各国共通で、インターンシッププログラムを行う目的を教えてください。

現在、グローバルで見ると、15~24歳の若年層の就職難が大きな問題になっています。この年代で仕事に就けていない人は世界に7500万人。国によっては、失業率が2~3割にも上ります。次の時代を担う若者が就業できていないのです。

アデコ株式会社川崎健一郎社長。1999年に青山学院大学を卒業後、同年、株式会社ベンチャーセーフネット(現 株式会社VSN)に入社。その後、VSNの常務取締役、専務取締役を経て、2010年3月に同社代表取締役社長に就任。2014年6月にアデコ株式会社代表取締役社長に就任。

こうした世界的雇用課題を解決するため、アデコグループでは2013年にAdecco Way to Workという取り組みを始めました。このプログラムは、さまざまな形態のインターンシップを通じて、就職できずに希望を失っている若者に対して、仕事に生かせるスキル修得を支援するとともに、働くことに対する前向きなメッセージを発信することを目的にしています。

次世代のリーダー育成を目的として、CEO業務を体験するというインターンシッププログラムであるCEO for One Monthは、Adecco Way to Workのうちの1つです。もちろん、このプログラム参加者から、将来のアデコを支える人材が輩出されればうれしいですが、それが目的ではありません。グローバルな雇用環境に関する課題解決の一助を担うことは、世界60カ国で事業を展開する人材業界のリーディングカンパニーとしての責任だと考えています。