保険で教育費を貯めるのは、目的がはっきりしていて流用しにくいから

それでも学資保険などの保険は、いまだに教育費を貯める際の定番商品と考えられています。あまり増えなくなっても、いちばん大きな教育費が必要になる大学入学時に向けて確実に貯められる点と、目的がはっきりしているので、ほかのことに流用しにくい点がメリットです。確実に教育費を貯めるなら、保険。流動性を考えると、保険と積立定期預金、リスクがあっても積極的に増やしたいなら、保険(または積立定期預金)と投信積立などの組み合わせを考えるといいでしょう。

また、18年近くも年数保険料を支払っていくので、その間に経済事情が変わって積み立てられなくなる可能性も考えておきましょう。最近では離婚して保険料を払えなくなって途中解約せざるをえない場合もでてきているといいます。せっかく教育費のために積み立てをするのなら、できるだけ損をしないために、保険は続けられる金額で保険料を設定しましょう。

指定校推薦、AO入試の場合の入学金、授業料の払込み時期に注意!

娘たちの高校でも指定校推薦(大学などの教育機関が高校に対して一定数の推薦入学を受け付ける枠を設けて通達。生徒は自分の通う高校が推薦枠を持っている大学への推薦を希望し、学校内での選抜を経て推薦を受けられれば受験できるという推薦入学の方法のひとつ)で大学進学をする子たちは、この時期すでに高校から推薦を受け、面接や小論文のテストなどに臨んでいます。

指定校推薦やAO入試(アドミッションズ・オフィス入試の略で、学校の求める学生像に合った学生を内申書、志望理由書、面接、小論文などにより選ぶ入試方式)の場合は、秋に合格が判明するので、年内の11~12月頃に入学金や前期の授業料を払い込む必要があります。たとえば私立文系の場合は、目安として100万円程度(入学金30万円程度+前期の授業料70万円程度)のお金を用意しなくてはならないので、学資保険などの満期日の設定には注意しましょう。

私は、そんなこともあるかもと想定して、満期日を長女が高3の夏ごろに設定しましたが、うちの娘は学校から推薦されるような成績をとっておらず、一般入試でがんばるしかないよう。親としては一応気を使ったのに、あまり意味はなかったようです。

もし、保険の満期学資金などの受け取りが納入日に間に合わない場合は、国の教育ローンや銀行の教育ローンを一時的に借りる、保険の契約者貸し付けを利用するなどの方法があります。推薦入試やAO入試を出願する場合は、合格後の納入金の金額とスケジュールを把握しておきましょう。

フリーライター 生島典子(いくしま・のりこ)
投資信託の運用会社、出版社勤務を経て独立し、2004年よりライター・編集者として活動。子育て、家計、住まい、働き方などが主な執筆テーマ。好きなことは、出産と住宅ローン。3人の子どもを助産院で出産した経験あり。