事故や事件などの豊富な実例から失敗の本質を抽出し、どう対処すべきかを説いたのが本書である。失敗の拡大再生産を防ぐため、小さな失敗でも顕在化させ、要因とからくりを解明し対策を打てと著者はいう。とりわけ私たち公共交通に携わる者には必読の書だ。

安全のための教訓としても読むことができるが、経営面でも示唆に富んでいる。セクション間の「遠慮」による「隙間」の発生や情報断絶が、重大事故など失敗の温床になるという指摘は重要だ。2009年6月の社長就任以来、本書の主旨を踏まえ、役員会や朝礼の場で「隙間をなくそう」「迅速な情報伝達と共有化が大事だ」と訴え続けている。