見るべきは男としての責任の取り方

特に“バツイチ子供あり”の場合は、養育費を心配される人がいますが、養育費を払っても生活できるだけの経済力があるということを忘れてはいけません。また、養育費は払えないほどの額は算定されません。たとえば景気変動などの理由で給料が下がれば、養育費の減額を申し出ることも可能です。無茶過ぎる義務は課されない、ということです。養育費の平均月額は4万3482円です(厚生労働省「平成23年度全国母子世帯等調査結果報告」内、「子どもの数別養育費の状況 母子世帯1世帯平均月額」より)。男性の収入や子供の数など、ケースによって金額は異なってきますが、しっかり仕事をして“稼ぐ”力がある女性ならば、なおさら、ここでひるむことはありません。

しかし、要注意の“バツイチ子供あり”もいます。それは、養育費を払っていないバツイチです。新しい自分の家族に対して責任を持てるのか、不安が残ります。私の結婚相談所では、養育費を払っていない男性は入会させません。「養育費を払っていないので、給料は全部自分のものです」という人はお断りをしています。

養育費の支払いとは、過去に対する責任を果たし、未来に向けて子の命を守り育むために、積み重ねていく仕事でもあります。その仕事を簡単に放棄してしまう人は、次の結婚でも同じことを繰り返す危険性があります。

子供がいる・いないということを、“人生のややこしさのバロメーター”としてとらえがちですが、そのような見方をするべきではありません。また家計に関しても、養育費の支払い義務がない人であっても、給料が下がることはあります。家庭における経済的事情なんて、養育費以外のいろいろな出来事で簡単に変わってしまうものです。

そうではなくて、過去の結婚について、男性がどのような落とし前をつけているのかというところを見てほしいのです。そこには、彼の口をつく甘い言葉以上の真実が隠されています。

大西明美

婚活アドバイザー。結婚相談所を経営。1977年大阪府生まれ。東京都文京区在住。過去20年で延べ4万3000件の恋愛を研究してきた婚活指導の第一人者。小中学校ではイジメを受け友達がいなかったため、周囲の人間関係を観察することを目的にして登校を続ける。特に恋愛に注目してコミュニケーションを学ぶ。高校生のとき、初めてできた友人に恋愛相談を持ちかけられ、日頃鍛えた人間観察眼を生かしたアドバイスを行い、無事に解決。それをきっかけに恋愛相談が立て続けに舞い込むようになる。婚活指導を通して、5年間で200組以上のカップルを成婚へと導いている。著書に『となりの婚活女子は、今日も迷走中』(かんき出版)がある。