“発言中の人にはできないこと”で貢献を

会議のときに、何ひとつ発言ができなくて、落ち込んだりしていませんか?

実は、会議中は黙っていても周りの人と大きな差をつけることができる方法があるのです。当社の社員が私にそれを教えてくれました。

「会議で何も言えなかった……」と落ち込んでいる暇はありません。発言以外にも、すべきことがあるんです!

打ち合わせのために取引先の会社に2人で出向いた帰り道のこと。彼女は、

「島村さん、○○さんの発言は、△△という点で、言ってることがちょっとチグハグでしたね」
「□□さんのプレゼンは、ちょっと歯切れが悪いように感じたんですが、視線がキョロキョロしてましたよ。もしかしたらまだ懸案事項が残っているのかもしれません」

というように、クライアントの微妙なニュアンスから感じ取ったことを話してくれるのです。

私は会社の代表として、会議全体を把握しなければなりませんし、交渉をまとめなければならないため、相手の細かい様子まで気にかける余裕がありません。そんなときにこのスタッフは、私のサポート役として細かい点に目を光らせ、仕事に有利になるような情報をアドバイスしてくれて非常に助かりました。

彼女のように、人に対する観察力を発揮してくれ、感じたことを話してくれるようなセンスのあるスタッフはなかなかいません。

このように、自分が出席した会議では、会議に出席している人たちの言動やしぐさをじっくりと観察して分析しましょう。それを上司に伝えるだけで喜ばれること請け合いです。

特に、営業職の場合、「なんとなく相手の言っていることが腑に落ちない」「何かがひっかかる」といった微妙なニュアンスをかぎ取ることは、売り上げの明暗を分けることにもなる極めて重要な能力です。観察力を磨き、会議後に上司にアドバイスできるようになれば、あなたに対する上司の見る目は確実に変わってくるでしょう。

※本連載は書籍『30歳から自分を変える小さな習慣』(島村美由紀著、プレジデント社刊)からの抜粋です。

島村美由紀(しまむら・みゆき)

商業コンサルタント。1956年、神奈川県川崎生まれ。雑誌・書籍の編集業務、シンクタンク研究員を経て、商業コンサルタントとして独立。株式会社ラスアソシエイツ設立、代表取締役就任。都市計画、商業施設計画、店舗業態開発などのコンセプトワークやトータルプロデュースを手掛け、大規模開発を成功させる。ラゾーナ川崎プラザ、羽田空港第1旅客ターミナルビル「スタースイーツ」など、実績は多岐にわたる。著書に『30歳から自分を変える小さな習慣 運を引き寄せる女性の6つの法則』(プレジデント社)(http://presidentstore.jp/books/products/detail.php?product_id=1713)がある。