公私をオープンにするFacebookの働き方

Facebookの創設者、マーク・ザッカーバーグは「ミレニアル世代」と呼ばれる世代だ。1980年代前後から2005年頃までに生まれた人たちで、10代からデジタル環境になじんだ最初の世代である。

写真上/メンローパークのFacebook本社 “MPK 20”は
2015年3月に誕生した新オフィス。建築家は著名なフランク・ゲーリーだ。写真下/オフィスの壁面を飾るのは、地元で活躍する15人のアーティストによるインスタレーション。自由でオープンな空間が社員の意欲をかき立てる。

「Facebookという企業には、マーク・ザッカーバーグが持つミレニアル精神が宿っています。一言でいうなら、『みんな平等で民主的だ』という考え方ですね。いろんな世代の人が働いていますが、平等であるということは、女性が野心を持ったり、キャリアを追及してもいいということです。そのためのサポートはもちろん必要ですけどね」

平等で民主的、そしてオープンな風土というのは、Facebookの起業精神の根本だ。その代表例が会社の事業でもある“Facebook”を社員が全員公私で使い、つながっていることだ。仕事もプライベートもオープンにつながっている関係が、社員間にあるという。

「社員によっては、とてもオープンな人、あるいはパーソナルライフをほかの人と共有したくない人、といろいろタイプがいます。それは自分で設定できます。そして、Facebookという会社は、それも個人の個性の違いとして尊重するような職場環境なんです。でも、同僚同士がよりつながりやすい環境が提供され、仕事でも刺激し合えるような職種ごとのLEAN INサークル(http://woman.president.jp/articles/-/614)も盛んなので、圧倒的にオープンな人が多いですね」

この開かれた風土は、企業の良い時だけでなく、問題がある時にもそうであることが大事だとジャネルは強調する。

「毎週開かれる幹部との質疑応答セッションでも、マークやシェリル・サンドバーグが『誰でも何でもいいからどんどん聞いてくれ』とみんなに伝えます。失敗談でもビジネスでうまくいってないことでも、彼らはきちんと真実を説明し、共有します。そんな経営側の姿勢を社員全員がならい、良いことも悪いことも共有していくことが重要だと思っています」

企業では、つい悪いことを隠してしまいがちだが、それがさらなる悪循環を引き起こすことが多々ある。Facebookでは日頃から小さなことでも共有することで、みんなで解決していこうという姿勢をとっているのだ。