仕事や家事に追われて、いつも忙しい日本の女性たち。一方、世界に目を向けてみれば、働く女性の環境や考え方は多種多様。どんな1日を過ごし、どう働いているのか、覗いてみましょう!

時間は人々のためにこそ使う

アフリカ人は、困っている人がいれば、お金、食べ物、寝る場所、衣服、なんでも惜しげなく分け与えてしまう。時間も同じだ。ナイロビの国連で働くルキヤさんも、そんなアフリカ人の1人だ。

【写真上】ルキヤ・バラカさん(42歳)【写真下】ランチは、ウガリ(トウモロコシの粉を熱湯で練ったケニアの主食)とおかずをランチボックスに詰めて、急いで食べる。

交通事故、盗難事件、家族や友人の死など、さまざまな困難にぶつかっている人がいれば、何時だろうがかまわず駆けつけ、泣く人の肩を抱き、相談に乗り、警察との交渉に当たる。

ケニア西部のビクトリア湖に近い貧しい子だくさんの家に生まれた。両親を早く亡くし、弟妹の親代わりをしながら育った。HIV感染率が高く、働き手を失った一家、身寄りのない孤児たちがたくさんいる。誤解と偏見も根強く、薬があるのにHIVだと言えないでいる。女性たちは、診療所に行くバス代(100円もかからない)をくださいと夫に頼むこともできず、死んでいく。

今まで多くの人に助けられてきたと回顧する彼女は、人の命と女性たちがもっと大事にされる社会にしなければと言い切る。そんなルキヤさんの24時間は、人々のために使われている。


ルキヤさんの1日

05:00 朝食
06:00 出勤
18:30 帰宅、夕食(子どもたちと過ごす)
22:00 就寝


撮影=大賀敏子(ナイロビ在住)