レシピ数101万。月間利用者数は1100万人

消費者は製品使用でもイノベーションをしている。そう考えた途端、そうしたイノベーションを活用し成長を遂げる企業群が視野に飛び込んでくる。クックパッドはその中の1社だ。

クックパッドは世界最大のレシピサイトを運営する「料理の楽しさの実現」を追求する企業である。サイトの機能は極めてシンプル。会員になった消費者が考案したレシピを投稿する。そのレシピを参考にして料理をしたい人がキーワードを使って検索する。この2つだ。

レシピを投稿するのは一般の消費者。同社のサイトを使えば自分が考案したレシピを自作の写真と文章を使って簡単に投稿できる。例えばサラダというキーワードで検索すると13万件のレシピが投稿されていることがわかる。

同社への投稿者の大半が料理専門家でないのは重要である。料理専門家が提案するレシピは魅力的だが一般の消費者が調理するのには難度が高い。

利用者はそうした難度が高い料理より自分と同じ調理レベルの人が提案するレシピで料理をしたい。だから普通の消費者が考案したレシピのほうがありがたいのだ。

しかも同社のサイトには「つくれぽ」という名の機能がある。投稿レシピで料理をした投稿者とは別の人が料理結果を写真とともに投稿できるのだ。

同じレシピでも出来上がりは様々だし、オリジナルのレシピに対する工夫の余地もある。そうした情報も写真つきで閲覧できるようになっているので利用者には使い勝手がいいのだ。

掲載レシピ数は101万品。1日500件以上のレシピが投稿され、月間利用者数は1100万人を超える。半数以上がほぼ毎日利用し、日本の30代女性の半数以上、20代女性の40%が利用している。

仕事、家事、育児などで時間に追われる消費者にとって手頃で短時間で作れるレシピを多数のものから検索できるこのサイトは夕食時の救世主的存在になっているのである。