連携して知恵を絞り世界のカネを呼び込め

私は世界中の開発現場を見てきた港湾再開発の生き字引と自負しているが、成功した再開発エリアはやはり世界中のカネを呼び込むことに成功している。そして、それは何といっても構想次第なのである。横浜や神戸がカナリー・ワーフ型になるとか、バッテリー・パークのように生まれ変わるということがわかれば、説明しないでも世界中からカネが集まるだろう。現に両プロジェクトとも紆余曲折はあったが、基本的には(外国人である)カナダのライヒマン兄弟が受託・開発したものだ。

私が地方から出てきた都構想を評価するのは、それぞれに世界のホームレスマネーを呼び込める可能性が大いにあるからだ。

たとえば新潟州が誕生すれば、日本海側の中心地として大いに繁栄すると思う。ハブ空港を一発つくってウラジオストク、ハバロフスク、ハルビンなど中国東北部と極東ロシアなどに飛ばせば、この地域の開発前線基地となり、人が集まる。その際はJR東日本が路線を延ばして空港に乗り入れるべきだろう。LED(発光ダイオード)を駆使した幻想的なハルビンの氷祭り、爽やかな夏のイルクーツクなど観光資源も豊富だ。

この3月に全線開通した新幹線をもつ福岡都も面白い。九州は中国、韓国にも近いし、酒や食べ物は美味いし、女性はきれいで、ショッピングモールも充実している。問題は政令指定都市同士の福岡市と北九州市の仲が悪いことだが、私に言わせたら目くそ鼻くそである。知恵がないのはどちらも一緒。仲違いしていても将来はない。一体となって東アジア展開の最前線として、アジアからヒト・カネ・モノ(企業)を呼び込むべきなのだ。

大阪都に関して言えば、私は大阪と京都は合併したほうがいいと思っている。合併して京都、あるいは「本京都」とでも名乗ればいい。