ズバリ! あなたの力で買える物件価格の出し方

住宅資金の3つの柱は、「頭金」「親からの援助金」「借入金」です。貯蓄のすべてを住宅購入の頭金に使ってしまうわけにはいかないので、生活費の3カ月分ぐらいのお金は残してください。このほか、家を買うための諸費用や税金も現金払いですから、物件価格の5%ぐらいは別に確保しておかなければなりません。

1本目の柱である頭金の金額は、よくいわれるのは「物件価格の2割」です。でも、これはあくまでも理想で、大半の人は、物件価格の1~3割ぐらいの頭金で、残りは住宅ローンで購入している様子です。頭金2割まで貯まるのを待っているうちに物件価格が上昇したり、金利が上がってしまうかもしれないので、ここは家計と相談しながら将来設計をし、購入タイミングを見計らってください。

2本目の柱である親からの援助金は、双方の親に住宅購入を真摯に相談し、支援をしてもらえるのならありがたく贈与を受けましょう。2015年末までなら親や祖父母からの住宅資金贈与は、特例により一般住宅なら1000万円、優良住宅なら1500万円まで贈与税がかかりません。その後は、消費税増税に伴い、段階的に非課税枠が増減します。

そして、3本目の柱である銀行からの借入限度額の計算ですが、それは、現在の家賃から2万円を引いた金額を毎月の返済額として、表を使って出してみましょう。横軸を「毎月返済額」に、縦軸を「ボーナス払い」とします。表は現在の妥当な数字で、金利は全期間固定1.8%、借入期間30年で計算しました。借入期間を最長の35年ではなく30年としたのは、住宅ローンを定年前に完済しないと、老後の生活が苦しくなるからです。

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銀行から借りられる借入限度額の目安

なぜ、毎月返済額を家賃から2万円を引く金額にするかというと、マイホームを維持するには、固定資産税や家の維持費がかかるからです。

これで3本の柱がそろったところで、「頭金」+「親からの援助金」+「銀行からの借入金」-「物件の諸費用」=「あなたが買える物件価格」となります。

計算してみると、あなたが買える物件価格は、あなたが欲しいと思っている家よりかなり低い金額かもしれません。しかし、マイホーム購入は、買える物件価格を計算して、金額を自覚することからスタートです。

マイホームは物件探しも、住宅ローンも、勉強してそのメカニズムを知るほどに最良の選択ができます。限られた予算内で少しでも理想に近づける方法はたくさんあるので、「お金がないから……」とマイホームをあきらめないでくださいね。

マネージャーナリスト 坂本君子(さかもと・きみこ)
広告代理店、出版社にてサラリーで働くエディター、ライター、プランナー、コピーライターを経てフリーに。得意分野は投資、住宅関連。大ブレイクはしないけれど、仕事は堅実でハズさない。満を持して2008年に起業。個人投資家としての投資歴は15年選手(ちょっぴりプラス)。