それがティアナ、アメリカではアルティマと呼ばれるクルマだ。

「同じことなどあるのかしらと思うほど異なるカルチャーの中で、現地の設計会社やエンジニアリング会社とも連携し、信頼関係を深めました。良いクルマができるとうれしいし、自分の成長も感じました。日本ではチームを率いる役割が、米国ではチームをつくるところから始められ、裁量が広がったのがとても大きな経験になりました」

マネジャーとして成長するとともに、アルティマの開発は初期設計から完成まで担当し、エンジニアとしての醍醐味も味わう。

今年4月から日産とルノーは、開発、生産、購買、人事の分野でアライアンス強化を図っている。初鹿野氏は開発企画室の部長として両社の機能統合を推し進める。また、副社長のテクニカルアシスタントも兼ねる。

「ルノーと日産、それぞれのクルマのブランドは維持しつつ、見えないところで共用化を図ります。機能統合という新組織の立ち上げはわくわくしますが、日仏のカオスの中で先が見えません(笑)。今までで一番大変で、一番難しい仕事ですが、一番楽しい」