ようやく鉄格子が外れ、女性の昇格が目立つようになるのは90年代後半のことだ。折井さんは00年、マネジャーに昇進。その2年後に新設されたマーケティングサポートセンターでは、部長職に就いた。

「管理職となって意識したのは、自分が女性であることによって、部下たちが不安に感じたり、不利になったりすることだけはないように、ということでした。だから、普通にリーダーシップをとることを心がけました」

現在、折井さんはCSR活動担当の役員とあわせて、お客様リレーション本部長を務める。マーケター時代に失敗を山ほど経験しながら鍛えた“お客様の声を商品づくりに活かす力”が広く経営に活かされていく。


■一問一答

 ■好きなことば 
らしく、ぶらずに、前向きに

 ■趣味 
日本舞踊、はまること

 ■ストレス発散 
仕事の喜怒哀楽とは全く別のところで、心を思い切り動かす
(歌舞伎→宝塚→Jリーグ→クールジャパン)

 ■落ち込んだときは 
プチ挫折を許す


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折井雅子
1983年東京大学文学部卒業後、サントリー入社。酒類製品の開発を多数手がけ、2000年、マーケターとして初めての女性課長に。07年、お客様コミュニケーション部長などを経て、12年よりサントリーホールディングス執行役員。

撮影=貝塚純一