数年に一度、「新人」に戻る

それにしてもこのわずか10年を振り返っても、ファッションビジネス事業部、エネルギー本部、労働組合、病院への出向と、次々に新しい分野で働いてきたものだと思います。

その度に全くの新人になってしまうので、本屋さんで入門書を買って勉強するところから始めてきました。当然、これまでの人脈や知見が一度リセットされてしまうわけですが、最近はそれこそが商社で働くことの醍醐味だと感じるようになってきました。

同じ組織と環境に長くいると、自分がいちばんそのことに詳しいという錯覚に陥るものです。そうするとイノベーションも起こりづらくなってくるかもしれない。もちろん変わりすぎるのも問題ですが、こんなふうに数年ごとに「新人」に戻ることを面白がれることが、商社での仕事を楽しんで続けていく1つのコツなのでしょうね。

三井物産の中では医療分野はまだ始まって数年。だからこそ、いまは自分がいちばんこの分野に詳しくなるぞ、という気持ちで取り組んでいます。そのなかでどんな出会いがあるのか、これからの1年、1年がとても楽しみです。

●手放せない仕事道具
作業着。現場に出るときはいつも身に着けている

●ストレス発散法
飲むこと!

●好きな言葉
気合

寺田理恵子
2004年入社。コンシューマーサービス事業本部にて主にファッション分野を担当後、07年修業生としてイタリアへ。08年よりイタリア三井物産Plastic Div.勤務。09年エネルギー第一本部原子燃料部原子燃料サイクル室を経て11年労働組合専従。13年メディカル・ヘルスケア事業部医療事業第一室、15年より社会福祉法人三井記念病院に出向中。

構成=稲泉連 撮影=村山嘉昭