投資は趣味か実用か

ハマる人はどっぷりとハマってしまうのが投資の世界。あなたの回りにも、仕事そっちのけで投資に夢中の人はいませんか?

値上がり、値下がりがつきものの投資には、多かれ少なかれギャンブルの要素が含まれていると思います。そんな魔力にとらわれて、信用も財産もなくしてしまった人をこれまでたくさん見てきました。だからこそ、みなさんには投資と上手につきあってほしいと思うのです。

仕事そっちのけでデイトレードに励むのはただのギャンブル。それで仕事を失ったら何にもなりません。ギャンブルがダメとは言いませんが、あくまで趣味と割り切って、おこづかいの範囲で楽しむべき。

一方、将来、必要になる資金を殖やすための投資なら、ある程度は勉強もしなくてはいけないし、タイムリーな行動や、こまめな管理も欠かせません。こうした投資は楽しむのが目的ではなく、生活するために必要な家事のようなものでしょう。

投資を経験することで、社会や経済への関心が深まり、新しい世界が広がるということもあります。

ただ、「値段が下がったらドキドキして何も手につかない」「お金が減るのは絶対にイヤ」という人は、無理に投資することはありません。その分、仕事に力を入れて、収入を増やしたほうがずっといいと思います。

無理してお金を殖やすより、少ないお金で楽しく暮らす方法を考えてもいいのです。少なくとも、周囲のムードに乗せられたり、金融機関で勧められるままに投資するのはやめておきましょう。

マネージャーナリスト 有山典子(ありやま・みちこ)
証券系シンクタンク勤務後、専業主婦を経て出版社に再就職。ビジネス書籍や経済誌の編集に携わる。マネー誌「マネープラス」「マネージャパン」編集長を経て独立、フリーでビジネス誌や単行本の編集・執筆を行っている。ファイナンシャルプランナーの資格も持つ。