大卒女子初めての工場配属

ダイバーシティ デベロップメント オフィス室長 小林千恵さん 
24年間の海外営業の経験を持つ。2005年にはご主人を日本に残し、小2の息子さんと1歳半の娘さんを連れてブラジルに赴任。子連れの海外赴任は日産自動車で初だった。

気配りができれば性別は関係ないとは丸山氏の言うとおりだが、やはり女性店長の目線や思いが、女性に愛される店舗づくりには欠かせない。日産自動車が進める女性活用の理由はまさにそこにある。日産自動車のダイバーシティデベロップメントオフィス・室長の小林千恵氏が言う。

「激変の時代に自分たちが変わるのが生き残る力です。国籍、性別、年齢などが異なる人のさまざまな意見や考え方を取り込んでビジネスに活かすべきです」

トップの強いメッセージの下、ダイバーシティ推進が図られる日産自動車は製造業の中でも女性活用が進む。女性の管理職比率は7%を超え、2017年3月末までに10%を目指す。現在、部長職は小林氏も含めて44人。役員はまだ1人だが、「今は女性のミドルマネジメント層を厚くし組織力を上げるのが大事です。役員はその中から育っていけばいい」と小林氏。

撮影=清水朝子