――ジェンダー・ダイバーシティは男性の問題でもあると思うのですが、ゴーンさんのフェアな哲学を日産自動車の男性管理職も共有していますか。

【ゴーン】社員全員が同じ意見、価値観である必要はありません。そのこと自体、非現実的です。ダイバーシティはビジネスの利益のために進めているのです。社会的な価値のためにやっているのではありません。

日産自動車の実績を支えるいろいろな取り組みがあり、そのひとつがジェンダー・ダイバーシティです。みんなが業績を上げたいと思い、そのためにこそジェンダー・ダイバーシティに力を入れるのです。私も会社では「業績に貢献する」という言い方をしています。「私の信念だ」「正しいから行う」と言ったことは一度もありません。私は正しいことだと信じていますが、それは個人的な見解です。ビジネスのプロとしてジェンダー・ダイバーシティを評価することが大切です。