競争に勝つために女性を登用しなければならない

――日産自動車の女性管理職比率の目標は2016年度末で10%です。日本政府は2020年までに女性管理職比率を30%に引き上げると言っています。ゴーンさんはどう思いますか。

【ゴーン】数値目標を掲げること自体はいいことだと思います。ただ30%というのはとても意欲的で、かなり高い数字には間違いありません。もちろん日産自動車も貢献したいと考えますが、2020年までに当社の女性管理職比率を30%にするのは難しい。

もちろん役員も含めマネジャーをもっと早く増やしたいと思いますが、現実には時間がかかります。教育研修も必要ですし、経験も積まなければなりません。それなしに女性を昇進させ失敗しては意味がありません。数年前、女性の管理職は2%くらいでしたが、今は7%になりました。それに何年もかかりました。次は10%に向けて進めていますが、また時間がかかります。

カルロス・ゴーン
日産自動車取締役社長・最高経営責任者。1954年、ブラジル生まれ。78年、仏・国立高等学校卒業後、ミシュラン入社。ブラジルミシュラン社長、北米ミシュランの会長、CEOなどを経て96年ルノー入社。99年日産COO、2000年より社長に就任、01年より会長兼CEO。