本選びのポイント

読み終わって「大したことなかった」と思えば、内容をすぐに忘れてしまうのは当然のこと。でも果たしてそれは本のせいだろうか? 買って良かったと思える本に出合う方法とは。

▼自分のステージに合わせて選ぶ

何度も読み返したくなるほど心動かされる本を、私は「ホームラン本」と呼んでいます。ホームラン本に出合うと脳が大いに刺激され、それだけ記憶に残りやすくなります。

いしまさみつ=イラスト

たくさん読んでいるのに、なかなかホームラン本に出合わない人は、本選びを間違えている可能性があります。「何かを学びたい」と思って本を読むなら、自分が今、学びのステージのどの地点にいるのかを知る必要があります。

実は初心者ほど、上級者向けの本を手にとってしまいがちです。しかし、基本的な知識もない人が上級のテクニックを知ったところで活用できるはずがありません。これはスポーツや絵を描くことと同様です。難しい内容に触れると、そのときは満足するものの、使えない知識なので、すぐ忘れてしまいます。身に覚えのある人は、買う前に目次をじっくり見ましょう。目次に並ぶ単語の意味がほとんどわからないなら、その本はあなたのステージに合いません。無理をせず、初心者向けの本で基本を頭に入れてから、次のレベルの本に移ります。そうすれば内容がスラスラと頭に入ってくるはずです。

▼SNSで友達の読書をチェック

SNSを利用すると、ホームラン本に出合う確率が非常に高くなると思います。なぜなら、SNS上には自分の友達がたくさんいるからです。友達なら、関心や趣味、好み、考え方に共通点がある場合が多く、その人の学びのステージが初級なのか上級なのかも、普段の発言からなんとなく判断できると思います。

このように、バックグラウンドを知っている人がFacebookのニュースフィードなどで「これは面白い!」と書いている本は、あなたにとって必要だったり、役に立つ場合が多いのです。

また、プロの読書家である書評家の意見を参考にするのもよい方法です。インターネット上には多くの書評サイトや書評ブログがありますので、その中から信頼できる人を見つけて、定期的にチェックするのです。

ただし、本を読む目的は、人によって異なります。誰かのおすすめ本が自分にとって必要かどうかを見極めるコツは、「なぜ、その人がその本を推薦しているか」に注目することです。理由を読んで強くひかれるなら、その本はホームラン本になる可能性が高いといえるでしょう。