豊かな人生に必要な資金を準備するためには“お金にも働いてもらう”という発想が大切。投資信託なら、適切にお金にも働いてもらうためにプロのサポートを受けることができる。商品をどう選べばよいのか、DIAMアセットマネジメントの荒川さんに教えてもらった。

2016年10月1日、DIAMアセットマネジメント株式会社、みずほ信託銀行株式会社(資産運用部門)、みずほ投信投資顧問株式会社及び新光投信株式会社は統合し、アセットマネジメントOne株式会社となりました。

Q
これから資産形成を始めるとしたらどんな方法がいい?

豊かな人生を過ごすためには、さまざまな資金が必要になります。金利が低い現在、その資金を預貯金だけで準備するのは難しい状況。これからは“お金にも働いてもらう”という発想が必要です。みなさん自身も仕事でキャリアアップをしていくにしたがって、収入がふえていくと思います。お金も適切な場に置いてあげれば、自分の力でふえていくこともあるのです。

預貯金は、ただ貯めるだけですからお金はほとんど働いてくれません。働いてもらうためには「投資」に目を向ける必要があります。難しく感じる方も多いかもしれませんが、投資信託という商品を使うことで初心者でも手軽に投資を始めることができます。

投資信託は投資のプロである運用会社に運用を任せて、「自分が仕事をしている間にお金にも働いてもらう」ことができる商品です。1万円程度から利用できるうえに一人一人の投資金額は小口でも、多くの投資家の資金を集めて運用するので、個人では投資が難しい投資対象を選ぶことができるのもメリットのひとつです。

また、投資信託は積み立てをすることもできます。毎月一定額の積み立てなら、値動きのリスクを抑えることも可能です。たとえば、毎月2万円ずつ購入していく場合、投資信託の価格(基準価額)が1万円であれば2口購入しますが、2万円であれば1口しか購入しません。価格が安いときには口数を多く、高いときには少なく購入しますから購入単価の平均額を低くする効果があります。

今後はインフレになることも予測されています。みなさんのお金がインフレによって実質的に目減りしてしまわないようにする意味でも、これからはお金が働いてくれる状態にしておくことが必要だと思います。

Q
投資信託でお金をふやすにはどう選べばいい?

荒川真帆(あらかわ・まほ)
DIAMアセットマネジメント 情報サービスグループ シニアマネジャー

みなさんも何年か働くうちに、自分の中にキャリアのベースになるコアの部分ができてくると思います。資産形成においてもまず、コアになる部分をつくることが大切です。コアになる部分は長期で安定的にふやすことが大切ですので、比較的リスクの小さいものを利用します。コアの部分がしっかり準備できたら、次に時々の状況に合ったものに投資をして大きな利益を狙うことも可能になってきます。

投資信託には、現在数多くの商品があり、リスク・リターンの度合いもさまざまです。投資対象も株式や債券、不動産など多岐にわたり、投資する地域も国内、海外と幅広いバリエーションがあります。まずは、その中からコアの運用資産にふさわしい商品を選んでいきます。

一般的にコアの運用では、リスクを抑えて安定的に資産をふやすことを目指します。リスクは抑えつつ一定の利回りが期待できるものとして、バランス型の投資信託(バランスファンド)があります。これは、さまざまな種類の資産をバランスよく組み合わせて分散投資する商品です。特定の資産が値下がりしても、他の資産の値上がりでカバーする可能性があることによって、全体で見ると、安定したリターンが期待できるのが魅力です。

ただ、バランスファンドにも弱点がないわけではありません。2008年に起きたリーマンショックでは、さまざまな資産が大きく値下がりしたため、分散投資をしているバランスファンドも価格が下がりました。

こうした教訓から弊社では、分散投資に新たな手法を組み合わせることで、金融危機の際にも資産の目減りを防ぐことを目指す方法を考えました。

みなさんが働いているビジネス環境も大きく変化していると思いますが、投資環境も変化が激しくなっています。先行きが不透明なときには、投資をしないという選択も必要になります。そこで、通常は株式などの価格の変動があるリスク性資産に投資をしながら、金融危機が迫ったときには、そのリスク性資産を売って素早く安全性資産である現金にして、なるべく値下がりを抑える手法を取り入れたのです。

値下がりを抑えるために現金を利用する方法は、もともと年金運用などにも利用されている方法です。弊社は第一生命とみずほフィナンシャルグループが50%ずつ出資する資産運用会社で、年金運用でも運用会社として国内最大級の運用資産残高がありますから、その手法を個人のお客さまに利用していただけるように設計したのです。