上司から部下に贈る手書きのカード

この間、社員には機会あるごとにメッセージを発信しています。文章として出すときに気をつけているのは、堅苦しくなく、わかりやすく、けっして上から目線にならないようにということ。西武グループの社内イントラネットに載せている「社長のきもち」というブログでもそれを心がけています。ここでは日常的な話題を、“てにをは”にも十分留意して書いています。

例えば、スキーシーズンの2月であれば、スキーの魅力について触れました。今年1月に、今シーズンのスキー場視察のスタートとして岩手県雫石スキー場へ。若手社員と懇談会を持ち、率直な意見交換をしました。その後に書いたのが次のブログ記事です。

「私は常々思うのですが、スキーは無心になって取り組めるスポーツです。斜面をただひたすらに滑っていると、滑ることだけに集中し、終わってからの体の疲れも大変心地よいものです。さらに、滑った分だけ上達するのもスキーの魅力でしょう」

社長としての立場上、特定の個人に対して手紙やメールは出しません。現場はみんなそうですが、スキー場の管理もチームプレーです。悪天候の最中であっても、雪崩が起きないように手だてし、リフトも動かし続ける。そこには、現場を守り続ける陰の人がいます。おそらく彼らは、このブログを読んで、私が見ていたことを感じてくれるはずです。

私の好きな言葉に、伝教大師・最澄の「一隅を照らす」があります。西武ライオンズでいえば、クリーンナップを打つスター選手が注目されますが、地味なプレーでピンチを救うベテランも大事です。最澄は、そんな人を「国宝」だと讃えました。

よしんば、トップが認識していなかったとしても、上司は必ず見ています。ただ、本人を前にして「よくやったね」とはなかなかいいづらいでしょう。そこで役立っているのが、12年からグループ全社に導入した名刺大、3枚複写の「Good Job カード」です。