2016年7月15日(金)

たまご寒天に、うどん寒天!? 秋田のすごい寒天

dancyu 2014年11月号

文・阿久根佐和子 撮影・金子山

秋田では(特に県南)、いろんなものが寒天で固められ、売られ、食べられている!

みんな大好きな杏仁豆腐。あと水羊羹と、小さい頃に食べた牛乳かん。それから、それから……。えへん。あれ。もうネタ切れした。

寒天の話である。ずいぶん前にヘルシー食材としてブームが起きたけれど、今となっては、寒天を使った食べ物と聞かれてぱっと思いつくのはそのくらい。口にするのも年に数回。多くの人にとって、寒天ってそんな存在なのではないか。

「そんなことはない!」と断固反対する人がいるとすれば、きっとその人は秋田県の人。それもおそらくは南部のほう。……とまで断言するのは言いすぎだけど、何しろ秋田の県南には、何でも寒天にしてしまう文化が根づいている。

サラダ寒天に玉ねぎを入れる、入れないなどレシピはそれぞれ。「イオンスーパーセンター美郷店」に寒天がずらりと並ぶコーナーがあった。

“みかん寒天”“牛乳寒天”は素直に理解できる。自家製ジャムを使った“マーマレード寒天”、野菜や果実を裏漉ししたジュースを使う“トマト寒天”、つぶしたくるみの食感がういろうを思い出させる“くるみ寒天”までなら、意外な感じはあるけれどまだわかる。でも、甘辛い煮汁ごと固められた“椎茸寒天”に、炒り卵がぷるぷるに固まったような“たまご寒天(別名・雷寒天)”、秋田名産の稲庭うどんの入った“うどん寒天”、さらにきゅうりやにんじん、玉ねぎなどが浮かぶマヨネーズ色の“サラダ寒天”となると、さすがに目を見張る。

近所にある普通のスーパーの惣菜コーナーには、そうした創作寒天とでも呼ぶべき数多の寒天が並んでいる。たとえば9月のある日の「イオンスーパーセンター美郷店」。寒天の数は14種。旬の食材を使うから、季節が移れば寒天の種類も替わる。秋から冬にかけては“黒糖寒天”に“芋寒天”、“かぼちゃ寒天”などがお目見えする。

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阿久根 佐和子