UAEで人気を獲得した3つの背景

ヨックモックの商品がなぜUAEで人気を集めているのか。そこには3つの現地要因が存在した。

【要因1】UAEの人たちはお菓子好き

国民の大部分がムスリム(イスラム教徒)であるUAEの人たちは、飲酒は一切禁じられている。その代わり甘いお菓子には子供から大人まで目がない。しかし日本のスイーツのようにこだわったモノや種類は限られており、選択肢が限られていた。こうした中にヨックモックの商品が登場したことで、評価されることになった。(UAEの人たちは甘いモノが大好きなせいか、2011年時点でUAEでは5人に1人が糖尿病にかかっている)。

【要因2】来客用にお菓子を用意する習慣がある

UAEではギフトとしてスイーツを贈る需要があるが、さらにオフィスや自宅には来客用としてお菓子を用意する習慣がある。この習慣により、お菓子の消費頻度が増えていた。

販売価格が日本の2.7倍もする事情もあるが、富裕層の中でも階層の高い人たちほどヨックモックのブランドを知っていて、主要顧客になっている。なぜそうした顧客層の支持を得ることができたのか。そこには同社の海外戦略の相乗効果が見て取れる。

【要因3】富裕層の息子たちは、留学先のアメリカでヨックモックの商品とブランドに出会っていた

中東の富裕層は息子たちをアメリカに留学させることが多い。留学した彼らはアメリカ滞在中にヨックモックの商品とブランドに触れ、口にしたことがある人たちも存在した。留学を終えて彼らがUAEに帰国すると、UAEにもヨックモックの店舗が進出しており、顧客になったわけだ。

富裕層の中でも海外に留学できる階層の高い人たちほどヨックモックの知名度と認知度が高かったことも影響し、UAEではヨックモックの人気が広がっていった。