ただし、60歳まで引き出せません

ただし、確定拠出年金は、積み立てたお金は60歳まで引き出せません。確定拠出年金はあくまでも「老後の資金を積み立てる」ための制度なのです。リストラにあったり、子どもの教育費が足りない……など不測の事態になっても、残高が50万円以下という限られた場合を除き、確定拠出年金のお金は引き出すことができません。毎月の掛け金は余裕のある金額に設定しましょう。

掛け金は月5000円から1000円単位で増やすことができます。掛け金は1年に1度見直せますし、どうしても払えないときは一時的に止めることもできます。

また、人それぞれに上限があり、自営業者など国民年金の第1号被保険者は月額6万8000円(年額81万6000円) 、第2号被保険者(企業年金のない方 図1参照)は月額2万3000円が上限額となります。

▼おすすめの商品は「インデックスファンド」!

「どんな商品を選べば良いかわからない」「自分で運用なんて出来るのだろうか……」と思われる方もいらっしゃると思います。

確定拠出年金では、投資信託、株式、預金、保険商品など、いくつかの商品を組み合わせて運用することが金融会社や証券会社に義務付けられています。

仮に、株式や投資信託など(リスク資産といいます)を多く購入している場合、市場の動向次第では元本が割れる可能性がないとは言い切れません。預貯金や保険商品といった元本が保証されているタイプの商品もありますので、それらを組み合わせることでリスクを少なくできます。

リスク資産の中で、おすすめしたいのは投資信託の「インデックスファンド」です。インデックスファンドは、TOPIX(東証株価指数)のような代表的な指数と同じ値動きを目指す運用をしている商品で、手数料が安いことが大きなメリットです。

これに対して、指数を上回るパフォーマンスを目指して運用する「アクティブファンド」があるのですが、手数料が高いこと、商品によって運用成績に大きな差があること、などの理由からあまりおすすめできません。

さらに、特定の国や地域に集中して投資するのではなく、「日本株式」「先進国株式」「新興国株式」「日本債券」「先進国債券」「新興国債券」などを組み合わせましょう。

世界各国の企業は、資本を大きくするための努力を絶えず続けており、世界の市場全体に分散投資を長期的に行っていれば、市場の落ち込みで短期的には損失があっても、最終的には一定の資産増加が期待できるからです。

(瀧 健=執筆協力)
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