東日本大地震によってさまざまな日用品の需要が爆発的に増えている。その混乱の中、単2電池4本をAmazonマーケットプレイスにて約1万7000円で販売する業者まで現れた。地震の起こった当日11日には、経済産業省がコンビニエンスストアなど小売り関係10団体に対し、震災による便乗値上げ防止を要請しているが、中小の業者までは統制しきれない。

品不足は便乗値上げの温床となる(栃木県宇都宮市)。(PANA=写真)
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品不足は便乗値上げの温床となる(栃木県宇都宮市)。(PANA=写真)

災害時の便乗値上げは世界中でよくあること。四川大震災やロンドンの同時テロの後などでもそうだが、宿泊施設や日用品などの需給バランスが大幅に崩れることが要因である。

中でも有名なのは、2004年にハリケーン「チャーリー」がフロリダ州を襲ったときのこと。氷やチェーンソーなどが便乗値上げされた。この出来事を米・ハーバード大教授のマイケル・サンデル氏が、著書『これからの「正義」の話をしよう』の中で「美徳を巡る議論」として取り上げている。「便乗値上げによって、域外から供給を呼び込むことができる」という功利主義的な考え方と、「自発的な取引ではなく半ば強要である」という不正義に対する怒りとの対立として提示したのだ。

日本では阪神・淡路大震災の際、ダイエーが「定価販売」して叩かれたことがある。定価販売について不正義は何もない。しかし、他店が投げ売りをしたり、救済策を取る中、「定価」が批判されたわけだ。

今、被災地に本当に必要なのは、どんな方法であれ、物をそこに届けること。被災地の人々が本当に願っていることは何か、よく考えることが重要だ。