徹底した消費者調査により類例のない商品を開発

──メットライフグループ全体における日本市場の位置づけは、どのようなものでしょうか。

グループ全体の売上高・利益の約2割を占める日本は、米国に次ぐ大きな市場です。そして、以下のトレンドから日本を成長の可能性の高い市場であるととらえています。

注目すべきトレンドの一つは、やはり高齢化、長寿化の進行です。社会保障制度への不安もあわせ、医療保険や退職年金といった生存保障の重要性は、今後さらに増していくでしょう。

低金利化が進み、国内外の経済動向に差がある状況から、外貨建ての貯蓄、年金商品へのニーズも高まっています。

また、海外でも顕著といわれていますが、各種検索サイトやSNSにより消費者の情報収集力が高まり、お客さまの保険会社に対する期待も変化しており、保険・ヘルスケア・テクノロジーを融合した新しいサービスも求められるようになっています。

日本市場での成長を実現する第一歩は、こうしたトレンドを深く理解すること。そしてビジネスの全サイクルでお客さまのニーズを正確に把握し、事実と数字に立脚した事業活動を推進することです。商品デザインでは、「シンプル」「柔軟性」「利便性」をキーワードとして、とらえています。これらの要素を、データに基づく「サイエンス」アプローチで追求していくことが大切です。

そうした当社の姿勢がよく表れた商品の一つが、2014年に販売を開始した終身医療保険の「Flexi」でしょう。開発に際しては病気になった体験をお持ちの方を含む、約4000人へアンケート調査を行い、回答を分析。多くの方が心配されている生活習慣病への保障を手厚くし、保障内容がシンプルで分かりやすい特約をそろえ、必要な保障を組み合わせられるよう設計しました。

また、退職後の生活費や医療費の負担に対する不安の声を受け、リスク分散の手段として、一時払終身保険商品「サニーガーデンEX」をご用意しています。世界中で約50カ国のネットワークを持つメットライフは、世界のマーケットデータをリアルタイムで分析することが可能です。「サイエンス」アプローチの強みは、リスクマネジメントや投資運用の観点からも発揮されています。

今後も課題先進国である日本で、「サイエンス」の視点を生かした商品・サービス開発を行い、その成果を世界へ波及させたいと考えています。