愛情関係の結び方を決めるアタッチメント・タイプ

その疑問に対するヒントをくれたのが、アメリカに住んでいる時に出会った『Attached』という本でした。この本は、アメリカ人の精神科医アミール・レバイン博士によって書かれており、大人のアタッチメント(愛着)理論をもとにした恋愛ストラテジーについて説明されています。これまでの研究から、私たちが幼い頃に形成したアタッチメント・タイプによって、大人になってからの愛情関係の結び方が違ってくることが明らかになっています。

相手のことを愛しているのにうまくいかない……、それには理由がありました。

アタッチメント・タイプには主に安定型・不安型・回避型の3つがあります。安定型の人は、「これだ」と思った人には素直に気持ちを表現することができます。そして、ひとたび意中の相手とカップルになったら一貫して相手にコミットし続ける傾向があります。そのため、結婚するとゆるぎない安定感を夫婦関係にもたらしてくれます。不安型は、恋に落ちやすい恋愛体質の人。数回のデートで相手に夢中になってしまい、他のことが手に着かなくなってしまうのもこのタイプです。そして回避型は、少し親しくなると、相手が自分の自由を脅かしているように思えてしまい、それ以上親密になるのを避けようとします。そして自分と相手がそれぞれどのタイプであるかによって、相手との関係性や、結婚後、夫婦が離婚の危機を迎えるかどうかが大きく左右されるのです。

世の中のほとんどの人は、このアタッチメント理論について知らないまま、婚活をしたり、夫婦関係をなんとかうまくやっていこうとしたりしているのです。それは少しもったいないことではないかと感じて、『Attached』の翻訳出版に挑戦してみようと思いたちました。良い恋愛・結婚は、とにもかくにもまず自分を知ることから始まります。『Attached』の日本語版、『異性の心を上手に透視する方法』では、まず自分のアタッチメント・タイプを理解した上で、パートナー候補となる相手のアタッチメント・タイプを推測する方法が詳しく説明されています。

次回は、3つのアタッチメント・タイプの相性についてご説明します。

塚越悦子(つかごし・えつこ)
ファミリー・リレーションシップ専門コーチ。My Peaceful Family代表。
東京大学文学部卒業。モントレー国際大学院で行政学修士を取得後、国連に就職。2002年にアメリカ人の夫と結婚し渡米。アメリカでライフコーチの資格を取得し、国際結婚カップルの相談を受けてきた。現在は一家で日本に住み、最高のファミリーを作るための婚活サポートやリレーションシップ・コーチングなどを行っている。著書に『国際結婚一年生』(主婦の友社)、訳書に『異性の心を上手に透視する方法』(プレジデント社)がある。ウェブサイト(http://www.mypeacefulfamily.com)で恋愛・結婚・家族をテーマに情報発信をしている。『異性の心を上手に透視する方法』Facebookページ(https://www.facebook.com/iseinokokoro)。
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