成果と人間関係を両立させるには

専門家たちが一致して推薦するのは、2つの方法を組み合わせた「共同型」解決法だ。ランドー一家も、「組織においては、成果も人間関係も重要だ。組織とは、構成員全員の協力によって成果を生み出すべき存在だからだ。意見の競合を促しつつ全員の協力を奨励するといった方法で、問題を解決すべきである。共同の神髄は、この点にある」。

では、共同作業を実行するには、具体的にどうすればよいのか。

マリック・F・マスターズとロバート・R・オルブライトは共著の『The Complete Guide to Conflict Resolution in the Workplace』で、次の8段階のプロセスを勧めている。

[1] 一歩退く
近視眼的になって全体像を見失うケースがあまりにも多い。撤退する前に受け入れ可能な最小条件を決めておこう。
[2] 状況を直視する
これは自分のためのホームワークだ。徹底的に正直になって、問い直してみよう。相手の主張の長所は何か。自分の主張の弱点は何か。
[3] 相手の主張を聞く
相手の言うことに耳を傾け、彼あるいは彼女が何を必要とし、何を希望しているかを理解しよう。ボディーランゲージにも目を配ろう。この段階で性急に自分の立場を主張してはならない。
[4] 状況を把握する
以上のプロセスを通して全体の状況をおおまかに把握したら、自分の主張の同調者全員が、それを完全に理解しているか確認しよう。「こうなってほしい」ということだけでなく、事態の全体像をきちんと把握すること。
[5] 評価し、分析する
ブレーンストーミングで、可能な解決策と双方が満足する結果を提案し、検討しよう。相手が受け入れそうな解決策は何か。自分たちが容認できるのは何か。
[6] 可能性を提案する
これまでに行った準備をすべて活用して交渉に入る。双方が満足して席を立てるような結論を提案しよう。
[7] 結論に達する
少なからず譲歩しなければならないだろうが、それも効果的な交渉にはつきものだ。だが、周到な準備をしたために、得られた結果には満足できるはずだ。
[8] 人間関係を築く
個人的関係を交渉に反映させてはならない。実質的で建設的な人間関係を維持する努力をしよう。

以上のプロセスを踏めば、意見を競わせつつ人間関係を育てるチャンスが提供されるはずだ。