お札にとって心地いいのが長財布

税理士 亀田潤一郎●1967年、神奈川県生まれ。大学卒業後、税理士事務所、経営コンサルティング会社を経て2003年、税理士開業。著書『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』など。
(下)亀田さん愛用の長財布と小銭入れ。「ルイ・ヴィトン タイガ」を何度か買い替えて使っている。

稼ぐ人になるには、高額な長財布を買うべきなのだろうか。著者の亀田潤一郎税理士に聞くと「必ずしも長財布でなくても構いません。また、『財布は高額なほどいいのですか』とよく聞かれますが、高額ではなく高品質な財布を選んでほしい。高級よりも上質が大事です」という。

なぜなら、高額なものはお金を出せば買えるが、品質のいいものは目利きがないと買えないからだ。革の財布なら、丹念に仕上げた職人のこだわりなど商品ブランドの背景を知ることで財布への愛着も深まる。大切なのは、そうした気持ちだという。

税理士という職業柄、数多くの経営者に接し、折に触れ財布を見る機会も多かった亀田さんは、「継続的に利益を挙げている経営者は、長財布を持っていることが多い」という“発見”をもとに同書を書き上げた。

亀田さんによれば、稼ぐ社長たちがそろって長財布を使うのは、彼らのなかに次のような考えや行動習慣があるからだ。

「お金づきあいは人づきあいと同じで、稼ぐ社長ほどお金を大切に扱います。たとえば、お釣りをもらったら無造作にポケットに放り込んだりせず、小銭入れに移しますし、道に落ちている1円玉を拾う人も多いですよ。そう考えると、お札にとって心地よい形にできているのが長財布です。新札の状態で入ってきたらそのままの形を維持することができ、むやみに折り曲げられる危険もありません。だからお金を大切に扱う人は、長財布を持っていることが多いのです」

支払い時にきちんと整ったお札で支払うなど、お金を大切にする社長は、従業員や取引先へも親切に接する。自社商品やサービスはもちろん、情報やモノも大事に扱うという姿勢だ。長財布はその象徴なのである。