>>田島さんからのアドバイス

会社員時代に半年や1年といった中長期のプロジェクトに取り組む際、中だるみしないために私が実践していたのは目標を細分化し、それを一つ一つつぶしていくという方法です。大きな目標も小分けにしてリスト化し、達成できたものから蛍光ピンクのマーカーで塗りつぶしていきます。リストがピンク色になっていくのを確認することで、「ちゃんとできた」という達成感がもてる。小さな達成感を味わうことで、「これができたのだからこの次もできるだろう」という自信にもつながっていきます。

このような考え方は、部下の指導でも役立ちます。十分な時間を与えられたにもかかわらず、締め切りまでに作業を終わらせることができない部下がいても、「1週間でここまでやる」ではなく、「1週間後の締め切りのために今日は何をやるか」というように、1日という短い単位でやるべきことを指示すれば、なんとかやり抜くことができる。最後に「できたじゃない」と声をかければ、本人もだんだんコツをつかめるようになっていくものです。

私自身、目標やタスクをリストアップする際に、紙に書きだすことが多いのですが、これには2種類の効果があります。一つは過去の記録として振り返ることで、自分にとって自信になること。もう一つは、書きだした目標を未来への道しるべにすることで、自分が追われるのではなく、自分が追いかけているのだという自覚をもてることです。それらの自信や自覚が持続する力の源になるのです。

持続できない理由の一つに目標に向かう途上の「漠然とした不安」があるように思いますが、目標やタスクをリスト化することで不安要素が顕在化されます。それらをつぶしていくことで、不安も自信に変わるのではないでしょうか。