小さな会社を経営している者ですが、そろそろ後継者を選ばなくてはなりません。4人の候補者はいずれも甲乙つけがたい優秀な人材です。問題は、誰かを失うはめになったら、会社が痛手を受けるかもしれないということです。マイケル・リュッケルト(アイオワ州)


 

これはめったにない、「すばらしい」問題ですね。実際、通常のケースの正反対の状況です。通常は後継者を選ぶ時期が来ても適切な人材がおらず、思案の果てに大金を積んで外部の人間を雇わざるをえません。

しかし、ご心配はよくわかります。スターは4人いて、トップのポジションは1つしかありません。おまけに、経験豊富な幹部に辞められたら、この小さな会社は立ち行かなくなるかもしれないという不安もあります。

あなたのお気持ちとしては、おそらくなんらかの妥協的解決策、つまり1人を後継者に選び、他の3人には補佐的な役目で会社に残ってもらえるよう、それなりの肩書と金銭を与えるという解決策をひねり出したいと思っておられることでしょう。その方法はうまくいく場合もありますが、候補者たちがあなたの思っておられるとおりの人物なら、その公算は低いでしょう。本物のリーダーで、2番手の役目や現状維持に満足する人はまずいません。

さらに、あなたの目標は、守りを固めることであってはなりません。会社を次のレベルに引き上げられる人を見つけることでなくてはならないのです。

4人の候補者はどれもすばらしい人かもしれませんが、誰をもってきても同じということは、まずないでしょう。あなたが去ったあと組織を改革するのに必要な識見と勇気を、必ずしも全員が持ち合わせているわけではないはずです。それらを備えているただ1人の候補者を、見きわめる必要があります。

その動きは、選ばれなかった者たちの辞職を誘発するでしょうか。その可能性は高いでしょう。しかし、それに気をとられすぎてはいけません。彼らの辞職は、彼ら自身にとっても会社にとっても、結果的にはよいことです。辞める人には、自身の事業を運営する権利を手にすることができ、彼らはその挑戦と楽しさを味わうに値する人々です。彼らの退職パッケージは必ず公正で寛大、しかもなんらかの非競争条項を含むものにしてください。

敗れた候補者を会社に残しておくと、往々にして悲惨な結果を招きます。敗れた候補者の失望感が、その人物を支持していた人々の悪いムードとあいまって、組織を無気力にするのです。それに対し、敗れた候補者が辞職した場合には、彼らのチームの中から代わりを見つけることができます。これらの新しい幹部たちはまだ前任者ほどの能力は蓄えていないかもしれません。でも、新しいアイデアや建設的なエネルギーであふれんばかりのはずです。

これは問題というよりもチャンスです。候補者が4人いるのですから、すぐに仕事を始めてくれる後継者を確実に選ぶことができます。敗れた候補者の1人か2人が辞職したら、たしかに当初は会社に打撃があるでしょう。でも、その辞職はすぐに彼らのキャリアの扉を開けるでしょうし、会社にも新鮮な空気をもたらすはずです。