しかし、こうしたデータをうまく使えば、「例えばベテランアーティストAだけを知っている50代の女性に、20代のアーティストBを知ってもらい、購入してもらうことができるかもしれない。逆にアーティストBが好きな20代の男性が、50代のアーティストAを好きになることもありうる」(前田氏)。そこで、同社ではWeb担当者や店舗の担当者から得られた併買についての知見を、ポイントカードの会員に送る販促メール作成に生かすようになった。

JALは、「女子旅@海外」をどういった層に訴求するかを分析する際にも、現場担当者へのヒアリングを重視し、そこから洗い出していった。「何歳くらいの人が多いか」「何人くらいで旅行しているか」「どの時期に旅行しているか」「旅行中どんな行動をとっているか」といった具合である。

これにより、年齢、人数などの基本的な情報に加えて、「女子旅は9~10月に行われていることが多いので、旅行時期を分析に加えるべき」「女子旅の利用者は、スマートフォンからチケット予約サイトを閲覧する人が多いので、スマホ利用の有無を調べるべき」「国際線搭乗経験が一定回数以上ある人が多い」「マイレージ会員の加入歴が比較的短い傾向にある」といったことを掴んでいった。

【分析をビジネスに生かすための視点】
◆納得感――その分析結果から消費者を理解するためのヒントを想像。
◆汎用性――分析から生み出された結果や解決策が、ほかの事例にも応用。
◆スピード――逐次変わっていく課題や方向性に対して瞬時に対応。
◆枠にとらわれない――状況に適応して知恵を出し、工夫する。

(竹井俊晴=撮影)
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