「就職氷河期」は半永久的に続く!

2000年前後の就職氷河期に次いで、10年から第二の就職氷河期が始まったと言われている。

就職率が悪いと新入生が集まらないということで、就職が決まっていない卒業生を授業料無料で留年させる大学まである。学生としては就活のモラトリアムが得られるし、学校側は卒業生の就職率を下げないで済む。互いの利害が一致しているとはいえ、学生に正道を歩むように導くべき立場の学校が数字を操作しているのだから世も末だ。しかも今の政府は、そうした輩を指導する講師の費用をもってあげよう、などとふざけた方向に進んでいる。どこまで甘やかしたら気が済むのか!

しかしそんな大学側の努力も空しく、今後景気が回復したとしても、大卒者の雇用情勢が劇的に向上することはない。それを象徴するのが3月に発表されたパナソニックの11年春の新卒採用計画だ。

新聞報道によると同社が予定している11年春の採用は、国内外合わせて前年比1割増の1390人。しかし国内採用は210人減の290人。一方の海外採用は47%増の1100人と過去最多で、新卒採用に占める海外採用の比率は約8割まで上昇するという。

つまり日本人の採用を大幅に減らして、海外採用がマジョリティになっているというのだ。ブルーカラーではなく、ホワイトカラーの話である。

国内採用を抑制して、海外採用を増やしている日本企業はパナソニックだけではない。いわゆるグローバル企業と呼ばれるところは皆、同じようなことをやっている。当然だろう。今の日本の大学から出てきた人材を率先して採用していたら、会社は間違いなく滅びるからだ。

今回パナソニックは初めて公表したが、国内採用を抑制していることをどこの企業も隠している。雇用喪失につながって世論の反感を買う恐れがあるからだ。表向きは政府や経団連に「経済情勢が厳しい折ながら、雇用を増やす努力をします」と忠誠を誓いながら、裏では大幅な海外採用で戦力を整えているのだ。