2016年6月17日(金)

ふわりとほどける「銀シャリむすび」のつくり方

dancyu 2014年11月号

文・沼由美子 撮影・神林環 教える人:舩久保正明(「お米のふなくぼ」「おむすび結庵」代表)

こんなにも軽いおにぎり、食べたことがない。それが舩久保さんのおにぎりの第一印象だ。そう聞いてあなたが想像したものより、実際はたぶん、はるかに「ふわり」。まさに口中で「ほろり」とほどける。「料理にたとえるなら、精米は刺身をおろす包丁の技術、握り方は寿司の握りの技術に匹敵します」舩久保さんにかかれば、おにぎりは“料理”になる。真摯に米に向き合い、羽釜で米を炊き、自身でも一日数百個のおにぎりを握るから、自信をもって話せる言葉と手法がある。その技を、惜しみなく伝授してもらう。

おにぎりが変わるご飯の炊き方

お米を内釜で研いでいませんか? それではおいしいご飯は炊けません。まず、大きめのボウルとザルを用意してください。それを重ねて水を張ってから米を入れ、さっと水をきる。このほうが内釜より素早く簡単に研げます。ザルは目の細かいパンチ穴のものか、プラスチックの目の細かいザルを。金ザルだと網に米が刺さって割れてしまいます。

さらに言うと、今どきの米は「ゴシゴシ研ぐ」はNGです。水の中で泳がせるように「やさしく洗う」こと。精米技術が上がったので、米と米をこすり合わせないほうがいい。これを繰り返すこと4回。1回目はすぐに水を捨てます。乾いた米がグンと水を吸い糠くさくなってしまうから。水が透明になるまで洗う必要はありません。

洗った米はザルに上げ、少し傾けて水きりをします。軽く振って米の山を崩さないと、間にたまった水を吸って水加減が変わってきてしまいます。

おにぎりに合うご飯を炊くには、米の旨味を引き出す研ぎ方、吸水の仕方をしないといけません。それを怠ると、ご飯が冷めたときに欠点が全部現れてしまう。大切なのは米の中心部までしっかり水を吸わせて飽和状態にすること。内釜ごと冷蔵庫に入れるとゆっくり吸水され、粘りが強く艶やかなご飯になります。

家庭用の炊飯器なら、高速炊飯(早炊き)モードがお薦め。高温で一気に加熱できるからです。ただし、冷蔵庫で6時間以上、十分に吸水させた米を使うことが条件です。高速炊飯は通常、蒸らし時間が含まれないので、合図が鳴ったら10分蒸らします。

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沼 由美子