睡眠不足を引き起こす要因は大きく3つ

では、良質の睡眠を十分取るにはどうしたらいいのか。その第一歩は、自分の睡眠を見直してみることだ。たとえば、布団に入ってもなかなか寝つけない、寝てもすぐに目が覚めてしまう、熟睡できないといったことで寝不足になっているのなら、その原因を考えてみるといいだろう。

「睡眠不足を引き起こす3大要因は、ストレス、運動不足、飲酒と言われています。もし、仕事や家庭になにかしらストレスがあると、寝つきが悪くなり、眠りも浅くなりがちです。ストレスに関連する夢を見ることも多いですね。また、運動をして体を適度に疲れさせることもよい睡眠には不可欠。運動を継続することで睡眠も安定します。飲酒については、お酒を飲んだ後は飲んでない場合に比べて睡眠が浅くなることが医学上証明されている。私自身の経験からいっても、飲んだ日と飲まなかった日では、次の日の仕事の捗り方がまるで違う。それもあって、最近は週末だけ飲むようにしています」

当然のことながら、寝る前の夜食も睡眠不足の引き金になる。寝ている間も食べたものを消化するために内臓は活動しなければならず、眠りが浅くなってしまう。酔っ払った勢いで締めにラーメンを食べるのは、睡眠にとってはまさしく暴挙だ。

これらの要因が見当たらないのに熟睡感が薄ければ、寝ている間に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群を疑ってみるべきだろう。

「睡眠時無呼吸症候群の原因とされているのは肥満。首の回りに脂肪がついて、呼吸のための気道がふさがれてしまうのです。息苦しさで眠りが浅くなり、目が覚めることもある。特に中高年の男性は睡眠時無呼吸症候群になりやすいので注意してほしい」

睡眠の見直しには、腕時計型のウエアラブル端末を活用するのも一策だ。米国のフィットビットのほか、オムロン、東芝など日本のメーカーからも睡眠を計測できる機器が販売されている。ハイスペックなタイプは、睡眠の深さまで測ることが可能だ。