「解析」と「診断」はどう違う?

【田原】高橋さんはサービスを「解析」とおっしゃっていますね。病気のなりやすさを調べるなら、「診断」ではないのですか。

【高橋】私たちはもともとの性質としてのなりやすさに関する情報をお知らせしているだけ。いま実際に病気になっているかを宣告するものではないので、診断ではありません。

【田原】そうですか。僕は診断とほとんど変わらない気がするけど、診断というと、何かまずいのですか。

【高橋】まずいです。日本には医師法があって、お医者さんでないと確定的な診断はできないので。

【田原】そうか、規制があって、診断ということにしちゃうと高橋さんたちはサービスできなくなってしまうのか。なんだか面倒くさいもんですね。医師法を変えればいいんだな。

【高橋】まあ、そこはまた事情がありますから。

【田原】お医者さんは既得権益があるから反対するだろうけど。

【高橋】もともと遺伝子検査は医療現場で行われてきたものなので、それを軽々しくインターネットで扱うなという声は耳にしますし、慎重な姿勢が必要なのも分かります。でも、2003年にヒトゲノムが解読されたときから、人が自分の遺伝子情報を知るのが当たり前になる時代が来ることは目に見えていました。この流れを止めるよりも、新しく出てきたリスクをどう回避するのかといった議論をしていくほうが建設的かなと思っています。