「日本発のヒット商品というのは、単発なんです。一人の担当者が頑張って一地域でイノベーションを起こしても、それを会社というもっと大きな傘の下に入れて、より広範な世界で展開することがない。だから爆発力とか持続力にならない。貯金ができない。本来ならば、世界中の現場でイノベーションが生まれ、それを一つのブランドのもとに繋げていくべきなのです」

では日本の未来はどうなるのか。

「先日も『ドラえもん』を見て育ち、日本に憧れていたというインドネシアの留学生に会いました。日本とアジアは親和性が高い。私は日本の未来は明るいと考えています。日本がもっとアジアの生活者と一体になってプロダクトアウトをしたとき、『ジレット ガード』を超えるようなものがきっと怒濤のように出てきます」

新たな日本神話を紡ぐ物語はもう始まっているのだ。

二輪車「ホンダ スーパーカブシリーズ」

写真を拡大
二輪車「ホンダ スーパーカブシリーズ」(写真=getty images)

世界生産累計9000万台超。1958年に国内販売開始、本格的な輸出は59年のアメリカが初。その後、アジア諸国でのモータリゼーションを支え、同社の二輪ブランドの確立に貢献した。ビジネス用に開発された日本仕様は50cc、ビジネスからレジャーまで幅広く活用するアジア諸国では100~125ccが主流。写真上の「WAVE125」はタイとベトナム販売、「FUTURE125」はベトナムで生産・販売しているプレミアムシリーズだ。

 

乗用車「トヨタ キジャン」

写真を拡大
乗用車「トヨタ キジャン」(写真=getty images)

当時まだ未踏の市場だったインドネシアにおいて、現地のマルチ・アストラ社と提携し生産開始。同国の工業化政策と輸送需要に対応し、過酷な使用環境にも耐えうるジャパンクオリティで、現地の人々の生活を支えた。プレス設備がなくても製作できる設計により、ボディの100%現地調達を実現。価格を購入可能な額に抑えた。2002年に100万台のラインオフを祝った。アジア圏における日本車黎明期を牽引した車種である。

 

飲料「ポッカ ジャスミングリーンティ」ほか

写真を拡大
飲料「ポッカ ジャスミングリーンティ」ほか(写真=getty images)

国内飲料メーカーの中でも他に先駆けて海外に進出、現在では最初の海外生産拠点でもあるシンガポールで茶系飲料のシェア45%。代表的な商品は写真中央の「ジャスミングリーンティ」で、ジャスミンの香りがついた緑茶に砂糖を入れたもの。1977年に設立されたシンガポール支社が、世界各国でのビジネス展開を担い、現在では約60カ国で商品を販売。今後は、インドネシア、ミャンマーでの新規展開を予定している。